職場のよくわからない張り紙「注意!」をやめてほしい

うちは卸で中規模の倉庫があります。そこにある掲示です。

クイズです。

まずは壁に「壁に注意!」とデカデカとA4の用紙に印刷されて貼られた状況です。さて従業員は何をしたらいいのでしょうか?

解説します。

全く状況もわからないので、文字だけだと、わからないのは当然です。

  • この掲示がある壁は倉庫を区切るシャッターで区画を区切っている壁で、この部分だけ狭くなっている状況です。
  • 業者なども含めて商品入出庫で台車やフォークリフトの往来が激しいところであります。
  • おそらく台車やフォークリフトなどが当たった黒ずんだ汚れの形跡があるので、「当たらないようにしましょう」というのがとりあえずの意図になると思いますが、それ以上の理由は瞬間には伝わっていません。
  • ほとんどの壁は闇雲に当てていいものではないのは明白で当たり前の話です。
  • ではなぜこの部分だけ掲示が貼られているかと言うと、理由はシャッターが上下するレールが掲示のある壁に一体化していることが関係していると思われます。レールが歪めばシャッターが動作しなくなるので他の壁にはない掲示が誕生したと推測します。

どうすればよかったか?

状況を説明すればなんとなく予想がつくひともいるかも知れませんが、1から考えさせる理由はどこにもありません。

作業レベルまで落とし込んだ上で通知するべき 因果関係を明白にすることでルールの伝承と同時に意味を伝承する。 それを踏まえると自分が思う理想の掲示はこうです。

台車、フォークリフトを壁に当てない!

※↑↑↑まずやるべきことを一瞬で理解できるように目立つように表示

  • こちらの壁付近は通路が狭くなっています
  • 台車・リフト等で通過する際は壁に衝突しないよう、ゆっくりとした速度で慎重に操作願います
  • 過去、衝突したことが原因でシャッターレールの破損が多発しました。
  • 破損時は多額の修理費用の発生します。
  • 不注意の行動は利益の損失につながる認識を再確認願います。

長すぎるので、文言の細かい修正はあってもいいかもしれませんが、 やりたいことは状況の確認、従業員がやるべきことの明確化、事故原因と事故後の損失の明確化です。

掲示者が考えるべきこと

短期的には上の掲示で、やるべきことと防止することを言語化するだけでいいのですが、更に考慮するべきなのは保守性です。つまり状況が変わったとき、この掲示を剥がすときに、迷いなく剥がせるのかどうかということが大事になります。これが「壁に当てない」というルールだけが伝わってしまうと、仮にシャッターレールがなくなった場合や故障して今後は一切使わなくなった場合があったとして、それでも誰も根拠が分かっていないがために無意味なルールとして残ってしまう可能性があります。つまりルールはその意味と根拠とで必ずセットにしてあげるのが掲示者が考えるべきことだと思います。